かんてい日記
更地価格を上回る底地価格
2024-03-02
カテゴリ:不動産評価(専門)
最近、相続税申告の参考として大型商業施設の底地の鑑定評価を受任した。
底地の鑑定評価額は、底地の収益力(地代の額)によって変動するが、
通常は地価に見合った地代を徴収することが困難ため、
鑑定評価で求められる底地価格は、更地価格を大幅に下回り、
税務署が定める借地権割合から機械的に求める底地価格をも下回ることが通常である。
ところが、この案件は地代が周辺相場より大幅に高く、
地代から計算される底地収益価格が更地価格を上回ることとなった。
非常にまれなケースで、私としても初めての経験であった。
この場合、鑑定評価を行っても価格を下げようがなく、
相続人にとってメリットがないため、
鑑定評価業務は取りやめとなってしまったが、大変勉強させられた案件となった。